理学療法士の後輩達に
ぜひ、どんどん私を乗り越えて行ってください。 「もっと勉強して下さいそれを広めて下さい」と課題は向こうからやって来るのです。 それを「大したことが無い」とか 「こんなもの馬鹿にされる」 と思わずに追及して欲しいのです。 本当に学校で習った通りなのか? どうしてこんなに例外ばかりなのか? 他に正解が有るからではないのか? etc.etc.・・・・
昔のエクササイズを検証し直す、と云う様な題名で矢野健太郎氏がジャーナルに投稿したのはもう15年以上前でしたでしょうか? 皆の反応は良かったのですが、一つ一つが手間が掛かり、時間を喰うものばかりです。ちなみに矢野さんは私の2年下の同窓生です。 訓練室でどんどん使うような余裕は誰も持っていませんでした。しかし幸か不幸か、勉強にかける時間に余裕の有った職場でしたので、その頃既に私の方はバージャー・エクササイズを訓練に取り込んで10年近くがたっていました。使い始めから5年くらい経ってから、本格的に自分でも使ってみて 本当に役に立ち急速に生活が楽にもなって来ていました。
さて、自分が偶然訪問リハビリと云う環境の中で気が付いた事はいろいろあります。
その中でも一番重要なのが リハビリのリラクゼーション・エクササイズは万人共通に使えるという事実でした。しかもバージャー・エクササイズを先行して行うと飛躍的に短時間で高い効果が得られるのです。 私がたまたまそういう人だけに当たったのでなければ、一人の例外も無いのです、ただ若干の程度の差が有るだけでした。
・・・・これは当たり前なんです、障害を持ったから役に立つ体操なのでは無く、初めから生理学的に効果が有ることを検証しながら作り上げて来ているのですから。 それもその道では一流の医師が開発に携わっています。
苦労を人一倍背負う障害の有る状況を出来るだけ速やかに、そのような状況でも受け止められるほどの穏やかさで、しかも気持ち良く、高い効果が得られることを目標にして考案されています。
障害のない、大きな負荷でも耐えられる、感受性が良好で、その上表出に差し障りの無い状況の一般の方々に、大きな効果が出ない方がおかしかったのです。 後から振り返るとその通りですが、よそのお宅に初めて一人で入り込み、お互い見知らぬ者同士でまだ信頼関係も出来ていない・・・。 ご本人たちは何をされるのか分からず不安で一杯です。
そこで、いきなり評価します、黙って言う通りにしてくださいと言っても、脅かしているようなもので心も開きようが有りませんよね? 訴えたいことの10分の1も話せないのではないでしょうか?
兎に角効果の有る事だけが望みです。 マッサージさんよりましだろう位にしか思っていません。高い利用料が掛かるのですから。
そんな次々に繰り広げられる関門を通過するときの通行手形の様に役に立ってくれたのが まずバージャー氏体操でした。
物凄く簡単で、物凄く優しいのです。 それなのに青白い顔をしている意識のはっきりしない利用者さんの頬がみるみるピンクに成り、気持ちが良いのか薄く笑っているような表情に変わります。 いつも真剣に療養に取り組んでいる、ご家族が一番先に気が付き喜んでくれます。 そして、仲間の看護士さん、ケアワーカーさん、ヘルパーさん…皆さんその体操を指導して下さいと頭を下げられたのです。
そして、その効果の高さ、ご家族からの信頼感の厚さを、ケアマネージャーさんが見逃すことは有りません。私の空っぽだった週間予定表はあっという間に一杯になってしまいました。 勿論職場のチーフのエネルギッシュな売り込み 笑 も大活躍だったのでしょうが、信頼感と効果は絶対に外せない重要なキーワードです。
・・・・続く
関連記事