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Posted by たまりば運営事務局 at

2011年04月21日

バージャー氏体操への工夫とは?

理学療法士・山田はホームページやブログで

『(大学や専門学校で習うオリジナルの)リハビリの体操や技術は、長年の工夫で今の方法にしました』

と書いています。 


勿論、各テクニックは最初は学校で習うレベルのことですので、とてもシンプルです。 

それが何をきっかけに、どう変化して来たのか、変化させて実際の効果はどうなのか?

「周りで見ていても分からない…独特だけれど患者さんからの信頼は凄い何故?」
と卒後10年前後になる理学療法士の後輩にも言われます。



また、同じフロアーで働く介護士さんやヘルパーさんには、

「どうすれば画期的な効果の出るリハビリ体操を提供できるのか?
一言で説明して欲しい…私たちは忙しいので…」

 と云う要望が出たりします。  



でも、一言で説明する能力がこちらには有りません。

そこで一番汎用性の高いバージャー氏体操を例に挙げて、どんなきっかけで工夫することになり、どう変化して結果はどうなのか?

を簡単に説明したいと思います。



まず、元々の足趾の運動については 実は 1秒に1方向で

屈伸を10回

開閉を10回

行うことになっています。


まず訓練室で、冷える・寒いとの訴えに訓練開始時の最初は助手さんが片端からホットパックを当てていました。訓練室はホットパックを当てている患者さんで一杯になり、体操や運動をする場所が手狭になる程です。そんなことも有って、自分の担当する方は全員バージャー氏体操から開始して貰うことにしました。


ここで、気が付いたのは足趾は屈伸できても、開閉の出来ない方が半数近くいるという事でした。
麻痺のある方は屈伸も十分に出来ません。


ここからが工夫です。

神経は末梢に行くほど働きに個人差が出ます。年齢が行くと、多少の練習では足趾の開閉が出来るようになるとは考えられません。準備運動の段階から不得意なことを続ければ、やる気がなくなってしまいます。 誰でも出来る屈伸だけで効果に遜色が無ければ良いのです。



屈伸だけで効果が出るかを全員に確認しました。結果は開閉が出来なくて途中で止めてしまうことに比べれば、屈伸だけの方がずっと良好でした。屈伸回数も10回より20回の方が良く、最初の体操開始時は30回の方が良好でした。


麻痺でうまく動かない場合はどうでしょうか?


1方向の運動を1秒に1回と云うのを2秒~3秒掛けて行ってみました。 全く動かずに諦めていた発症後10年と云う左片麻痺の男性の足趾が僅かに動き始めました。 私が手伝って動かしていた手を離し、自分の力だけで動いてみて貰いました。すると暫くして更に運動能力が上がり、しかも木の様にこわばっていた左下肢全体の循環が改善しました。


これを応用して(手伝いの必要な方の方が多いのですが)、発作を繰り返したり、末期の場合以外は麻痺の方全員の循環障害が軽減しました。 特に完全麻痺に近い状態では介助は不可欠ですが、それでも効果はあるのです。このことについては、「自宅で行うリハビリ」のエピソード1、3をご覧ください。


また、バージャー氏体操は元々が膝から下の体操ですが、膝・股関節・骨盤から体幹までの運動を行うと、本来が3度繰り返して行うと決められている体操を、1回しか行わなくても、それ以上の効果が有ることが分かったのです。 (ここに至る工夫はまたいずれ・・・)


こうやって工夫と実証を繰り返して、バージャー氏体操(変法)を先にアップした動画の様に組み立てて来ました。


長い年月と、協力して下さった方々がいて出来たことです。  最初が分かり、最後を知り、初めて途中が理解できます。ですから一言では説明できないことなのです。

  

  • Posted by jitakuderihabiri at 11:50Comments(0)ブログ